福祉タクシー券は、障がいを持つ方の外出の利便性を向上させ、経済的負担を軽減する役割を担っています。
しかし、実は福祉タクシー券が使えない事例も度々発生しています。今回は、福祉タクシー券が使えない代表的な事例8選をご紹介します。
福祉タクシー券をスムーズに使うための使い方や注意点、申請方法に加え、よくある質問にも回答します。
福祉タクシー券が使えなくて困っている方や、これから使う予定がある人はぜひ参考にしてください。
※本記事は2025年2月時点での情報を掲載しております。詳細は、各自治体のホームページにてご確認ください。

福祉タクシー券とは?
福祉タクシー券とは、自治体が主に障がいを持つ方に対して交付する、タクシー料金の支払いに使える券です。
名称は自治体によって異なり、福祉タクシー利用券、障がい者タクシー利用券とも呼ばれます。
交付条件は自治体によって異なりますが、主に身体障がい者手帳の1級・2級や療育手帳(愛の手帳)1度・2度などが交付対象です。
障がいを持つ人だけでなく、高齢者も福祉タクシー券の交付対象としている自治体もあります。
福祉タクシー券の金額や交付枚数、1回のタクシー利用で使用できる上限額は自治体ごとに定められています。
一般的に、電動リフトやスロープを備えたワンボックスタイプのタクシーのことを「福祉タクシー」と呼ぶことが多いですが、福祉タクシー券は普通のタクシーが利用対象となっていることが多いです。
福祉タクシー券は、交付対象者の障がいの内容に応じて普通のタクシー用、リフト付き福祉タクシー用など車種が指定されている場合があります。
【福祉タクシー券が使えない】よくある事例8選

福祉タクシー券が使えない事例8選をご紹介します。
利用時のトラブルを防ぐために、よくある事例を把握しておきましょう。
事例1.利用対象外のタクシー会社を使った
福祉タクシー券は、自治体と契約している事業者のタクシー料金の支払いに使えるタクシー券です。
利用対象外のタクシー会社を使った場合は、福祉タクシー券で支払うことはできません。
利用対象のタクシー会社については、自治体から配布される案内や自治体のHP、電話でのお問い合わせなどで確認が必要です。
事例2.配車アプリを利用した際の確認ミス
福祉タクシー券の利用対象のタクシー会社を指定せずに、配車アプリを使ってタクシーを呼んだ場合、利用対象外の事業者のタクシーが配車されてしまう場合があります。
また、配車アプリによっては、事前決済を選択してしまうと福祉タクシー券が使えないケースがあります。
そのため、福祉タクシー券を使う場合の決済方法についてもアプリごとに確認が必要です。
配車アプリを使う場合は、予約画面に福祉タクシー券利用に関しての入力項目があるアプリを使うと安心です。
なお、「よぶぞー」では、チェックを入れるだけで、簡単に福祉タクシー券が利用できる福祉タクシーの配車が可能です。

事例3.待機料や介助料の支払いに使おうとした
一般的に、福祉タクシー券の利用はタクシーの乗車運賃や迎車料の支払いが対象です。
待機料や介助料の支払いには福祉タクシー券を利用することはできません。
事例4.福祉タクシー券の種類が違った
自治体によっては、交付対象者の障がいの内容に応じて普通のタクシー用、リフト付き福祉タクシー用など福祉タクシー券が使える車種が指定されている場合があります。
指定の車種と異なるタクシー料金の支払いには使えないため注意が必要です。
事例5.福祉タクシー券に身体障がい者手帳等の手帳番号を記入していない
自治体によっては、福祉タクシー券に身体障がい者手帳や療育手帳等の手帳番号を記入するように定められている場合があります。
自治体の定めている使用条件を事前に確認しておきましょう。
事例6.身体障がい者手帳等を提示していない
自治体によっては、福祉タクシー券利用時に身体障がい者手帳や療育手帳等の提示が必須と定められている場合があります。
提示が必要でない場合でも、福祉タクシー券と障がい者割引は併用可能ですので、タクシーを使う際は障がい者手帳等も併せて提示すると良いでしょう。
事例7.福祉タクシー券を本人以外が利用しようとした
福祉タクシー券は、交付対象者である本人のみが利用できます。
本人が福祉タクシー券を使って乗車する区間に他の人が同乗することは可能ですが、本人以外の人が福祉タクシー券を使うことはできませんので注意しましょう。
事例8.有効期限が切れている
基本的に、福祉タクシー券には有効期限があります。
福祉タクシー券を使う際には有効期限が切れていないか事前に確認しましょう。
福祉タクシー券の使い方と注意点
福祉タクシー券をスムーズに利用できるように、使い方と注意点をチェックしておきましょう。
手順1.福祉タクシー券が使えるタクシー会社を調べる
まずは、事前に福祉タクシー券が使えるタクシー会社を調べておきましょう。
自治体によっては、福祉タクシー券の交付時に利用可能な事業者のリストを配布しています。
利用対象の事業者については、自治体のHPに一覧が掲載されていることが多いですが、直接電話などで問い合わせが必要なケースもあります。
また、福祉タクシー券を利用できるタクシーの種類が指定されているケースもありますので、普通のタクシー用か、リフト付きタクシー用かも確認しておきましょう。
手順2.タクシーを呼ぶ
タクシー会社に連絡してタクシーを手配します。その際に、念のため福祉タクシー券を利用する旨を伝えておくと支払い時のトラブル防止につながります。
配車アプリを利用する場合は、福祉タクシー券を利用する場合の決済方法や利用対象のタクシー会社を指定できるかを事前に確認しましょう。
手順3.乗車時に福祉タクシー券と身体障がい者手帳等を提示する
タクシー乗車時に福祉タクシー券と身体障がい者手帳等を提示して乗車しましょう。
降車時に提示しても利用できるのですが、トラブル防止やスムーズな支払いのために乗車時に提示して利用できる旨を確認して乗る方がより安心です。
福祉タクシー券と障がい者割引は併用可能なので、身体障がい者手帳等も一緒に提示しましょう。
手順4.支払いをする
目的地に到着したら、運転手に福祉タクシー券を渡して支払いをします。
福祉タクシー券を1回の支払いで使える上限は自治体ごとに定められていますので、事前に確認しておきましょう。
よぶぞーで福祉タクシーを手配する手間を大幅カットできる
介護タクシー配車アプリ、よぶぞーを使うことで、上記手順1、2、3の手間を大幅にカットすることができます。
チェックを入れるだけで福祉タクシー券の利用や、障がい者手帳割引が可能なドライバーを条件に、福祉タクシーの配車が可能です。


福祉タクシー券の申請方法
福祉タクシー券の一般的な申請方法や条件をご紹介します。紹介するのはあくまで一例です。
福祉タクシー券の諸条件は自治体ごとに異なりますので、詳細についてはお住まいの自治体にご確認ください。
対象者
福祉タクシー券の交付対象者となる条件は、主に以下の通りです。
- 身体障がい者手帳1級・2級
- 療育手帳(愛の手帳)1度(A1)・2度(A2)
※自治体によっては、高齢者や難病患者、精神障がい者の方も交付対象の場合があります。また、所得制限が定められている場合があります。
手続き方法
主に市役所や区役所の窓口(障がい福祉課等)に必要なものを持参して手続きを行います。
自治体によっては、郵送やオンラインでの手続きができる場合もあります。
必要な持ち物
必要な持ち物の一例は、以下の通りです。
- 身体障がい者手帳または療育手帳(愛の手帳)
- マイナンバーカードまたは通知カード
交付方法
基本的に、窓口で直接交付または郵送で交付されます。
東京都北区の場合
一例として、東京都北区の福祉タクシー券の申請方法や条件をご紹介します。
対象者
東京都北区の福祉タクシー券の交付対象者となる条件は、以下の通りです。
- 下肢、体幹機能障がい1~3級
- 視覚障がい1・2級
- 内部機能障がい1~3級
- 愛の手帳1・2度
※但し、以下に当てはまる場合は対象外となります。
- ガソリン券の交付を受けている
- 施設に入所している
- 病院等に入院している
- 障がい者本人(20歳未満の場合は扶養義務者等)が所得制限を超えている
所得制限
所得制限の限度額は、以下の表の通りです。
扶養親族の人数 | 収入額 | 所得額 |
---|---|---|
0人 | 5,180,000円 | 3,604,000円 |
1人 | 5,656,000円 | 3,984,000円 |
2人 | 6,132,000円 | 4,364,000円 |
3人 | 6,604,000円 | 4,744,000円 |
4人 | 7,027,000円 | 5,124,000円 |
5人 | 7,449,000円 | 5,504,000円 |
障がい者本人が20歳未満の場合は、扶養義務者等の所得で所得判定を行います。
※状況に応じて各種控除が受けられる場合があります。詳細は自治体へお問い合わせください。
手続き方法
区役所窓口に以下の持ち物を持参して手続きを行います。
- 身体障がい者手帳または愛の手帳
- マイナンバーカードまたは通知カード(通知カードの場合は、運転免許証・公的医療保険の被保険者証・年金手帳・パスポート ・在留カード等のうちいずれか1つが必要)
- 代理人の保険証等の身分証明書(代理人による手続きの場合)
交付方法
1か月につき合計4,000円分(500円券7枚・100円券5枚)が申請月から当該年度3月分まで一括交付されます。
※滝野川地域障がい者相談支援センターで申請した場合は、後日郵送で交付されます。
▼こちらの記事で、東京23区全ての福祉タクシー券の交付情報を詳しく紹介していますので、東京都にお住まいの方はぜひ参考にしてください。
福祉タクシー券のよくある質問
福祉タクシー券のよくある質問をまとめました。福祉タクシー券の疑問を解決して、安心して利用しましょう。
福祉タクシー券が使えるタクシー会社なのに運転手から断られたらどうすれば良い?
利用対象のタクシー会社で、利用条件に当てはまるのに福祉タクシー券の利用を断られる場合は、運転手が福祉タクシー券について正しく理解していない可能性があります。
もし断られた場合は、その場でタクシー会社に電話をして福祉タクシー券の利用対象になっている旨を確認するのが良いでしょう。
運転手の認識が間違っていた場合は、タクシーの後部座席にあるエコーカードに記入し、提出することで改善につながる可能性があります。
エコーカードとは
エコーカードとは、タクシーの乗客の意見をタクシー会社やドライバーに伝えるためのカードです。
主にタクシーの後部座席などに設置されています。
エコーカードには車両番号が印字されており、乗車した日付と時間を書いて提出すればドライバーが特定できます。
福祉タクシー券や障がい者割引を利用しようとしたら運転手に嫌な態度を取られたけど、迷惑でしょうか?
福祉タクシー券の利用分は自治体が負担するため、タクシー会社や運転手の負担にはなりません。
一方で、障がい者割引の割引分の料金については、自治体の助成がなく基本的に事業者が負担しています。
個人事業主や規模の小さいタクシー会社にとっては、1割の負担でも経営に影響を与えることがあります。
そのため、一部の運転手が迷惑そうな対応をしてしまう要因の一つになっていると考えられます。
事業者の負担を軽減し、障がいのある方が気持ちよくタクシーを利用できるようにするためにも、現行の障がい者割引における事業者負担は、今後見直しが検討されるべき課題といえます。
しかし、障がい者の方に責任はありませんので、もし運転手から失礼な対応をされた場合は、エコーカードを提出したり、タクシー会社に報告したりして、今後の改善につなげると良いでしょう。
障がい者はタクシーに無料で乗れるの?
障がい者の方がタクシーを無料で利用できる制度はありませんが、身体障がい者手帳を提示するとタクシー運賃が1割引になる「障がい者割引」が適用されます。
また、多くの自治体で福祉タクシー券を交付して障がい者のタクシー料金の一部を助成しています。
福祉タクシー券と障がい者割引は併用できる?
福祉タクシー券と障がい者割引は併用できます。
福祉タクシー券を利用して支払いをする場合は、障がい者手帳も提示しましょう。
同乗者がいても福祉タクシー券を使えますか?
同乗者がいても福祉タクシー券を使うことができます。
ただし、交付対象者本人が乗車していない区間の分の支払いには福祉タクシー券を使うことはできません。
高齢者で障がいがない場合はタクシー券が交付されない?
高齢者がタクシー券の交付対象になっているかどうかは、自治体ごとに異なります。
自治体によっては、障がいを持つ方だけでなく高齢者にもタクシー券を交付している場合があります。
詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。
福祉タクシー券が余ったらどうすればいい?
ほとんどの自治体が、余った福祉タクシー券は返却するよう定めています。
また、交付された本人以外の人に福祉タクシー券を譲渡することは禁止されています。
詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。
まとめ
福祉タクシー券をスムーズに利用するには、自治体が定めている利用条件や利用対象のタクシー会社を事前に確認しておくことが大切です。
今回紹介したよくある事例や使い方、注意点を参考に、福祉タクシー券を上手に活用してください。
福祉タクシー券のことでわからない点があれば、お住まいの自治体のHPを確認したり、電話でお問い合わせをしたりして、疑問点を解消してから利用しましょう。