タクシー配車アプリと「旅行業法」の関係性とは?──サービス提供に必要な旅行業登録の制度を解説

旅行業

昨今では、GO、S.RIDE、UberTaxiなどの便利な配車アプリが登場しており、その手軽さからアプリを利用する方もどんどん増えてきております。

たいへん便利なタクシー配車アプリですが、実は、「旅行業法」と深く関係していることをご存じでしょうか?

アプリでタクシーを配車するだけならば「旅行業」とは直接関わりがないように思えるかもしれませんが、実際には関わりがあります。

旅行業法は旅行の安全の確保と旅行者の利便の増進を図ることを目的としていて、該当する事業者は、この旅行業法に沿って事業を行う必要があります。

本記事では、配車アプリと旅行業法の関係性についてわかりやすく解説しつつ、介護タクシー予約アプリ『よぶぞー』を安心してご利用いただくための取り組みについてご紹介します。

「旅行業法」とは?

そもそも、今回の大きなテーマとなっている「旅行業法」とは、どういった法律なのでしょうか?

「旅行業法」とは、旅行者の代理で運送や宿泊などのサービスを手配する事業者に対して、適切な登録と管理を義務付ける法律です。

観光庁から出ている旅行業法の概要は以下のとおりです。

旅行業等を営む者について登録制度を実施し、あわせて旅行業等を営む者の業務の適正な運営を確保するとともに、旅行業協会の適正な活動を促進することにより、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを大きな目的としています。

引用:国土交通省 観光庁|旅行業法概要

「旅行業法」の種類

「旅行業」は、それぞれの業務範囲や登録要件などの条件からいくつかの種別に分かれており、それぞれに特徴があります。

詳しくは、以下の「旅行業登録に関する種別比較表」をご覧ください。

種別業務範囲登録要件(基準資産額)申請先主な特徴
第1種旅行業国内外の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行すべてを取り扱い可能3,000万円以上観光庁長官海外旅行を含むすべての旅行業務を取り扱える。大規模な旅行会社向け。
第2種旅行業国内の募集型企画旅行、国内外の受注型企画旅行、手配旅行を取り扱い可能700万円以上都道府県知事中規模の旅行会社向け。海外の募集型企画旅行は取り扱えない。
第3種旅行業一定条件下で国内の募集型企画旅行、国内外の受注型企画旅行、手配旅行を取り扱い可能300万円以上都道府県知事小規模な旅行会社向け。取り扱い範囲が限定されている。
地域限定旅行業営業所の市町村および隣接市町村に限定した旅行業務(募集型・受注型・手配旅行)100万円以上都道府県知事地域密着型の旅行業者向け。取り扱い範囲が非常に限定されている。
旅行業者代理業旅行業者から委託された業務なし都道府県知事自社で旅行商品を企画・販売せず、旅行業者の代理人として契約業務を行う。
旅行サービス手配業宿泊・運送等サービスに関する契約の代理・媒介・取次ぎなし都道府県知事旅行者ではなく、旅行業者の依頼を受けて、ホテルや交通機関などの手配を行う。

参考:旅行業法概要 | 旅行業法 | 観光政策・制度 | 観光庁

配車アプリと旅行業法の関係とは?

タクシー配車アプリと「旅行業法」には、一体どのような関係性があるのでしょうか?

そもそも、タクシー配車アプリを運営している企業の多くは、自社車両は持たずに、提携する外部の運行事業者(介護タクシー会社)へ配車の依頼を中継するという形で、サービスを提供しています。

このように、配車アプリが第三者の事業者と連携し、利用者に代わって運送サービスの手配を行っている場合、「旅行サービス手配業」に該当する可能性があるとされています。

「旅行サービス手配業」とは、

報酬を得て、旅行業を営む者のため、旅行者に対する運送等サービスまたは運送等関連サービスの提供について、これらのサービスを提供する者との間で、代理をして契約を締結し、媒介をし、または取次ぎをする行為を行う事業

を指します。

参考:旅行業法第2条第6項(e-Gov 法令検索)

たとえば、配車アプリが以下のような機能を備えている場合には、「旅行サービス手配業」とみなされる可能性が高いとされています。

  • 提携事業者の車両を、利用者の依頼に応じて手配する
  • プラットフォーム側が予約やマッチングの調整に関与する
  • ユーザーからの依頼に基づいて第三者へ連絡・媒介を行う

つまり、たとえ料金の支払いが利用者からタクシー会社へ直接行われていたとしても、配車アプリ側がその契約の成立に介在していれば「手配行為」と判断される可能性が高いのです。

こうした見解は観光庁からも明示されており、配車アプリの運営が「旅行業法」の枠組みに該当することを示しています。

参考:
資料3|国土交通省観光庁 配布資料
旅行業法概要 | 旅行業法 | 観光政策・制度 | 観光庁

以上を踏まえると、タクシー配車アプリを展開する事業者は、適切な旅行業登録を行い、法令に則った運営を行うことが、アプリユーザーにとっての安全・安心を確保する上でも重要な対応と言えるでしょう。

安心してご利用いただくために ─ 『よぶぞー』の取り組み

介護タクシーを必要とする多くの方に、便利で信頼できるサービスをお届けしたい。

こうした想いから、介護タクシー配車アプリ『よぶぞー』では、「安心して利用いただける環境」に関して、さまざまな対応や取り組みを行ってきました。

  • ドライバーの評価機能(接客や運転の丁寧さなどを可視化)
  • 目安料金の事前確認機能(目的地までのおおよその料金を事前に把握可能)
  • 旅行業登録の取得(東京都知事登録旅行業 第3-8756号)
  • 全国旅行業協会への加盟(トラブル時の対応体制を整備)
  • 旅行業務取扱管理者の配置(国家資格保持者による業務監督)

『よぶぞー』を運営する、IT FORCE株式会社では、利用者の安全と信頼を確保するために、旅行業法に準拠した体制整備が不可欠であると判断し、令和7年4月に、東京都知事登録旅行業(第3-8756号)を正式に取得いたしました。

また、当社は一般社団法人 全国旅行業協会」の会員になっており、利用者の方に万が一の事態が発生した際に、迅速な対応や保証をしていく体制を整えております。

さらに、当社には、旅行業法に基づき旅行業務に関する取引の管理・監督を行う国家資格を持つ「旅行業務取扱管理者」がおります。

旅行商品の企画・販売、旅行代金の管理、契約内容の説明、旅行中のトラブル対応など、旅行業務全般に関する幅広い知識と責任を担う専門員がいることも強みとなっております。

こちらは、『よぶぞー』のサイトに専用ページをご用意しており、どなたでもすぐに確認することが可能です。

旅行業関連の表記|介護タクシー呼ぶなら「よぶぞー」

介護(福祉)タクシーがよべる予約アプリ「よぶぞー」

よぶぞーは近くの介護(福祉)タクシーを簡単に手配できるアプリです。タクシー会社とのやりとり不要で介護(福祉)タクシーの予約ができます。

まとめ

近年、タクシー配車アプリは、その利便性から日常生活において欠かせない存在となり、多くの人々に利用されています。

しかし、こうしたサービスが「旅行業法」と密接に関係していることは、意外と知られていません。

配車アプリを利用される方へ安全・安心な配車サービスを提供するためには、法令に基づいた運営が重要だと考えています。

『よぶぞー』では、通院や買い物、観光などの幅広いニーズにお応えできるように、「旅行業登録」をはじめとする多くの取り組みを実施しており、利用者の万が一のトラブルや問い合わせにも適切に対応できる体制を整えています。

これからも、『よぶぞー』利用者の皆さまが安心してアプリをご利用いただけるように、日々さらなるサービス向上に努めてまいります。